イーサネットI/P PLCが電源のオフとオンを繰り返したConveyLinxによる通信障害から回復するため、特定の処理を実行する必要がある制御システムアプリケーションのために、PLCがConveyLinxの機能を操作して回復できるようにするための2つの新しいレジスタを提供する追加のインスタンスのセットが実装されています。

ZPAモードのConveyLinxが電源喪失し、システムE停止によって制御電源が切断されたことで電力が再び回復すると、ConveyLinxの動作レジスタ値の一部が0にリセットされます。この中には到着カウント、出発カウント、およびConveyLinxの各構成ゾーンの集積コマンドが含まれます。ConveyLinxの電源投入時、ZPAのタスクが完全に機能する前にPLCが完全なイーサネットI/P接続を確立できれば、前述のPLCプログラミング例は期待通りに機能します。しかし、PLCのイーサネットI/P接続時間は可変であり固定ではないため、粗削りな制御システム設計では、(PLCが接続されていないかのように)ConveyLinxのZPAタスクがモジュールに命令する前に、PLCによってイーサネットI/P接続を確立することを当てにはできません。前述のプログラミング例におけるこの結果は、停電時にたまたまPLC制御ゾーンに貨物が集積されていた場合、電源が回復するとPLCが命令しなくても貨物が搬送される可能性があるということです。この搬送はPLCロジックが到着カウントの変更を検出して搬送を増やすことで引き起こされることもあれば、電源供給によってConveyLinxで集積コマンドが消去され、そしてPLCが集積コマンドのビットを設定するための通信を確立していないために集積コマンドが無いことで、ConveyLinxがゾーンを解放することによって引き起こされることもあります。

PLC I/OモードのConveyLinxでは、 リセット保護はZPAモードのモジュールほどには気にする必要はないかもしれません。しかし PLC I/Oモードではリセット保護アセンブリが利用できます。現在のサーボ位置等の一部項目は電力が回復するとリセットされるため、PLCプログラマーは適宜この状態を検知して対応をとることが望まれます。