インストール時、ConveyLinxは以下の6つの基本モードのいずれかに設定できます。

フルZPAモード

このモードでは、 ConveyLinxは 1ゾーンまたは2ゾーンのZPAコントローラー として動作します。このモードでConveyLinxと通信すると、S7-300 PLCでは主に集積、搬送、起動/全停止、トラッキングの読み取り/書き込み、パルスローラパラメータ(速度、加速、減速)、ConveyStop等のマテリアルハンドリングに関する領域を制御することができます。このモードでは内部ZPAロジックが ConveyLinxを操作するため、PLCはパルスローラのスタート/ストップを直接には制御できません。ZPAモードでConveyLinxと通信する場合、PLCはリモートのI/Oデバイスに求められるような高速の反応時間を必要としません。通常、ZPAモードのPLCとConveyLinx間で使用される通信時間の範囲は32~256ミリ秒です。入出力データモードのデータ配列インスタンスの長さは64バイトです。

縮小型ZPAモード

このモードでは、ConveyLinxはフルZPAモードと同様に 1ゾーンまたは2ゾーンのZPAコントローラー として動作します。 ただし、S7-300 PLCに表示されるインスタンスデータは、集積、搬送、起動/全停止、パルスローラ速度などの基本的なマテリアルハンドリング領域に関する基本的な領域に制限されます。このモードではインスタンスの長さが30バイトに短縮されるため、特にZPA機能の全て(トラッキングなど)が必要でないアプリケーションでは、より多くのConveyLinxをPLCに接続できる可能性があります。フルZPAモードと同様に、このモードでは32~256ミリ秒の応答時間が一般的です。

合流モード

このモードでは、 ConveyLinxは ZPAモード で実行されPLCと64バイトのデータを交換します。ZPAロジックに加えて、ConveyLinxはゾーンの1つで合流タスクを実行します。
合流ゾーンの構成は2つの構成方法で異なります(構成方法の章を参照)。フルZPAモードと同様にこのモードでは32~256ミリ秒の応答時間が一般的です。交換されるデータはフルZPAモードと同じです。

フルPLC制御モード

このモードでは、ConveyLinxはEasyRollソフトウェアツールを使用して PLC I/O mode になります。ConveyLinxがPLC I/O モード状態の時には 内部ZPAロジックの全てが中断されるため 、ConveyLinxがポート入力を読み取り、ConveyLinxに接続されたパルスローラの運転/停止を行うには外部PLCが必要になります。PLCにはセンサー/コントロールポートからの入力処理、パルスローラの運転/停止、方向/速度/加速/原則の設定などのあらゆるロジックが含まれています。また、このモードではPLCはPLC I/Oモジュール内のレジスタにアクセスでき、マテリアルハンドリングの制御とトラッキングデータ保護のために、近隣のZPAモジュールと連動させることができます。PLC I/OモードのConveyLinxでは、PLCで使用可能な サーボ機能 も使用できます。このモードではConveyLinxはリモートI/Oデバイスとして機能します。ConveyLinxは4ミリ秒の通信応答時間でPLCに接続します。このモードでの入出力データ配列インスタンスの長さは64バイトです。

縮小型PLC制御モード

このモードではConveyLinxは ZPAロジック無し で構成され、フルPLC制御モードと同じように動作します。ただしこのモードでは、PLCで使用可能なのはポートI/Oとパルスローラ運転/停止/速度機能だけです。このモードはインスタンスの長さが短くなるため、特にフルPLC制御モードの全機能が必要ではないアプリケーションでは、より多くのConveyLinxをPLCに接続できる可能性があります。このモードのConveyLinxはフルPLC制御モードと同じ4ミリ秒の応答時間で通信し、入出力データ配列インスタンスの長さは16バイトです。

ConveyLogixプログラムによるPLC制御モード

このモードでは、ConveyLinxがConveyLogixでプログラミングされ、このプログラムが内部で実行されています。ConveyLogixでは独自のプログラムを作成しConveyLinxにダウンロードすることで、ConveyLinxを小型PLCにすることを可能にしています。ToPLCArray(WORD [16] )とFromPLCArray(WORD [16])はPLCと交換されます。これらのデータ配列でどのようなデータを交換するかについては、エンジニアがConveyLogix プログラムとPLCでプログラミングします。通信応答時間はConveyLogixプログラムのサイズと複雑さに基づいてプログラマーが調整する必要があり、その規模が大きいほど更新速度は速くなります。