ConveyLinx-Aiシリーズコントローラー /
用語解説
用語 | 意味 |
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搬送物 | コンベヤで搬送される対象物のこと(箱、ケースなど)。 本書ではワーク、トレイ、荷物、搬送物、製品という用語も同じ意味で 使用される場合があります。 |
ConveyLinx | ConveyLinxとは、イーサネットネットワークで接続されたモジュール型の分散制御システムを使って、コンベヤの動きを制御するためのアーキテクチャ(仕組み)です。 このシステムでは、各ゾーンに配置された制御モジュールがネットワークを通じて連携し、荷物の流れを自動的かつ効率的に管理します。分散型のため、柔軟なレイアウト変更や拡張がしやすく、メンテナンス性にも優れています。 |
ConveyLinx-Ai / ConveyLinx-Ai2 / ConveyLInx-Ai3 | ConveyLinxファミリーのドライバ名称。 各ドライバはSenergy-Aiプラットフォームのモーターローラとギヤードモータを接続することができます。 本書ではモジュールという用語はConveyLinx-Ai2 デバイスを指すものとする。 |
DHCP | DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、ネットワークに接続された機器に自動的にIPアドレスを割り当てるための仕組み(プロトコル)**です。 この仕組みにより、機器はネットワークに接続するたびに、利用可能なIPアドレスの中から一時的なアドレス(動的IP)を自動で受け取ります。そのため、接続のたびにIPアドレスが変わることがあります。 |
ERSC | ERSC(Ethernet Roller Speed Control モジュール)は、ConveyLinxファミリーに属するコンベヤ制御用のモジュールです。 このモジュールは、イーサネット通信を使って制御を行い、最大で2つのパルスローラ(MDR)ゾーンを制御することができます。各ゾーンのモーターやセンサーと連携し、搬送物の動きを効率よく管理します。 本書ではConveyLinxと同義としています。 |
I/O分岐モジュール SEシリーズ | RJ11接続を簡単に「分岐」設置できる拡張I/O。このシリーズは出力用のアンプが備わっており、最大100mAの出力が可能です。入力には設定可能なダイオードがあり、ERSCとの漏れ電流を最小限に抑えます。モジュールは補助装置用の外部電源接続も可能です。 |
ホールエフェクトセンサー | ホールエフェクトセンサーとは、MDRに内蔵されたブラシレスDCモーターの回転位置を検出するための特殊なセンサーです。 このセンサーは、モータ内部の磁場の変化を感知し、モーターの回転子(ローター)の位置情報をモーターコントローラに伝える役割を持っています。これにより、コントローラはモーターを正確に制御することができます。 |
IP54 | IP54とは、「IPコード(International Protection Marking)」で定められた、機器がほこりや水にどれだけ強いかを示す保護等級の一つです。 「5」は、有害な量のほこりが内部に入らない程度の防塵性能を意味します(完全な密閉ではありませんが、機器の動作に支障が出ないレベルで保護されます)。 「4」は、あらゆる方向からの水しぶきに対して保護されていることを示します。 つまり、IP54認証の機器は、日常的なほこりや水しぶきからしっかり守られており、屋内や軽度の屋外環境でも安心して使用できるということです。 |
JST | JSTとは、MDRをドライバ(コントローラ)に接続するための専用コネクタを製造しているメーカーの名称です。 この「JSTコネクタ」という呼び方は、ERSCハードウェアで使われている特定のコネクタ形状を簡潔に表す言葉として表しています。 |
LED | LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、電気を流すと光る小さな電子部品です。 本書では、ConveyLinx-Ai2モジュールの状態を視覚的に表示するためのインジケーターとしてLEDが使われています。たとえば、電源が入っている、エラーがある、通信中などの状態を、LEDの色や点滅で知らせます。 |
ライトオン/ダークオン | ライトオンとダークオンは、光電センサが光を検知したとき、または検知しなかったときに出力がどうなるかを示す用語です。 ライトオンタイプのセンサは、光を受けると出力がオン(通電)になります。つまり、反射光などを検知したときに信号を出します。 ダークオンタイプのセンサは、光がないときに出力がオン(通電)になります。つまり、反射光がない状態で信号を出します。 この違いにより、用途や設置環境に応じて適切なタイプを選ぶことができます。 |
M8 | M8コネクタとは、4本のピンを持つ小型の丸型コネクタです。 ConveyLinx Ai2では、このM8コネクタがセンサー用とパルスローラ(MDR)用の両方に使われています。 このコネクタは、コンパクトで取り扱いやすく、産業用機器の接続に広く使われています。 |
MDR | Motorized Drive Roller or Motor Driven Roller – モーターローラの略。ブラシレスDCモータとギアボックスを搭載したローラの事。 |
ノーマルオープン / ノーマルクローズ | ノーマルオープン(NO)とノーマルクローズ(NC)は、センサーやスイッチなどの「オン/オフ」信号の初期状態を表す制御用語です。特に、電源が入っていないとき(非通電時)に出力がどうなっているかを示します。 ノーマルオープン(NO)の光電センサーは、通常は出力がオフ(非通電)ですが、反射光を検知するとオン(通電)になります。 ノーマルクローズ(NC)の光電センサーは、通常は出力がオン(通電)ですが、反射光を検知するとオフ(非通電)になります。 この違いにより、システムの動作や安全設計に合わせて適切なタイプを選ぶことが重要です。 |
NPN / PNP | NPNとPNPは、コントローラの入力や出力に使われるトランジスタ回路の種類を表す電子用語です。 NPNタイプは、信号が「オン」になるときに、グランド(マイナス側)に接続される動作をします。 PNPタイプは、信号が「オン」になるときに、電源(プラス側)に接続される動作をします。 どちらを使うかは、接続する機器やシステムの設計によって決まります。正しく選ばないと、信号が正しく伝わらないことがあります。 |
光電センサ | 光電センサとは、コンベヤのゾーン終端付近に取り付けられ、そのゾーンに荷物(搬送物)があるかどうかを検知するセンサーです。 センサは、光を使って物体の有無を判断し、荷物が通過したり停止したりしたことをコントローラに知らせます。これにより、コンベヤの動きを自動で制御することができます。 |
PLC | PLC(Programmable Logic Controller)とは、工場や生産ラインなどで使われる産業用のコンピュータ制御装置です。 |
PWM | PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)とは、高速でオン・オフを切り替えるトランジスタを使って、電力の供給量を細かく調整する制御方式です。この技術は、ConveyLinxコントローラがMDRに電力を効率よく供給するために使われています。PWMにより、モータの回転速度やトルクを滑らかに制御することができます。 |
回帰反射型 / 反射型(近接型) | 光電センサには、主に2つの基本的なタイプがあります。 回帰反射型:このタイプのセンサは、自分が出した光が反射して戻ってくることで物体を検出します。光を反射させるために、センサの正面に「反射板(リフレクター)」を設置する必要があります。センサーと反射板は一直線に並べる必要があります。 反射型(近接型):このタイプは、センサの近くにある物体に光を当て、その物体から反射された光を検出します。反射板は必要ありません。 どちらのタイプも、反射された光を検出すると、センサの出力信号が変化して、物体の有無を知らせます。 |
RJ-11 / RJ-12 | RJ-11とRJ-12は、どちらも電話機などで使われる標準的な小型コネクタです。 RJ-11は、最大で**4本の配線(ピン)**を使うタイプです。家庭用電話の接続によく使われます。 RJ-12は、最大で**6本の配線(ピン)**を使うタイプで、ビジネス用電話システムなどで使われることがあります。 どちらも同じサイズ・形状のコネクタを使用しているため、見た目はほとんど同じですが、内部の配線数が異なります。 |
RJ-45 | RJ-45とは、「Registered Jack 45」の略で、8本のピンを持つ標準的なコネクタの形状を指します。主にLANケーブル(イーサネットケーブル)に使われており、パソコンやルーターなどのネットワーク機器を接続するための代表的な規格です。 |
Senergy-Ai | PulseRollerブランドが独自に開発したモータの名称およびモータ制御の仕組みです。モータ内部に「電子インテリジェンス(電子的な制御機能)」を組み込んでおり、この機能により、ConveyLinx-Aiシリーズと連携して、モータの動きを高度に制御・監視することができます。 Senegy-AiとConveyLinx-Aiシリーズの接続には、4ピンのM8型コネクタが使われ、信号や電力のやり取りがスムーズに行えます。 |
シングル搬送 | シングル搬送とは、ゾーンごとに制御されているコンベヤで使われる搬送方法の一つです。 この方式では、あるゾーンが搬送物(荷物など)を次のゾーンに送り出している間、上流側(前のゾーン)にある別の搬送物は、そのゾーンが完全に空になるまで待機するように指示されます。つまり、1つのゾーンには常に1つの搬送物しか入らないように制御されており、搬送物同士がぶつからないようになっています。 |
フリーローラ(アイドラー、スレーブローラ) | フリーローラとはMRDに従動するローラのことです。 MDRと、それに連結されたフリーローラ(スレーブローラ)は、ひとつの「ゾーン(搬送エリア)」を構成します。このゾーン内のすべてのスレーブローラは、MDRとベルトやチェーンなどでつながっているため、MDRと同じ速度・同じ方向で回転します。 つまり、MDRが動くことで、連結されたすべてのローラが一緒に動き、搬送物をスムーズに運ぶ仕組みになっています。 |
TCP/IP | TCP/IPは、イーサネットなどのネットワーク上で、コンピュータや機器同士が情報をやり取りするための通信ルール(プロトコル)です。 TCP(Transmission Control Protocol)は、送ったデータが正しく相手に届いたかどうかを確認し、データの順番が正しいかもチェックします。つまり、確実にデータを届ける役割を担っています。 IP(Internet Protocol)は、データをどの機器に送るかを決める住所のような役割を持っています。 この2つのプロトコルは、インターネットをはじめとする多くのネットワークで使われており、まとめてTCP/IPと呼ばれています。 |
トレイン搬送 | トレイン搬送とは、ゾーンごとに制御されたコンベヤで使われる搬送方法の一つです。 この方式では、あるゾーンが搬送物を次のゾーンに送り出すときに、そのすぐ後ろにある搬送物も一緒に連なって移動できるように制御されます。つまり、複数の搬送物が列車(トレイン)のように連なって動くことから「トレイン搬送」と呼ばれています。 この方法により、搬送効率が上がり、搬送物同士の間隔を詰めてスムーズに流すことができます。 |
ゾーン | ゾーンとは、コンベヤを構成する基本単位で、1台以上のMDR、それに連動するスレーブローラ、1つの光電センサーで構成されます。直線やカーブの区間ごとに分かれています。 |
ZPA | ZPA搬送(Zero Pressure Accumulation 搬送)とは、コンベヤ上で荷物同士が接触しないように制御する搬送方式です。 この方式では、コンベヤが複数のゾーンに分かれており、それぞれのゾーンに1つの荷物だけが入るように制御されます。荷物が次のゾーンに進めない場合は、現在のゾーンで一時停止し、荷物同士がぶつからないように間隔を保ちながら搬送されます。 |