9.3.3.5. 単純な進路変更の例

この例では、PLCを使用して単純な進路変更のメカニズムを制御し、搬送物をZPAゾーンから進路変更させてそのトラッキングを捉える方法を示します。この例ではまた、PLCの下流到着設定機能を使用して、搬送物がZPAゾーンから進路変更ゾーンに移動する時に、搬出しているConveyLinx-ECOがジャム状態を発生させないようにする方法を図で解説します。PLCは モジュール B に接続されます。

*この例では、 モジュール B 上流ゾーンに到着した新しい搬送物のトラッキングデータに対し、搬送物を進路変更させる必要があるかどうかをPLCに示す値が含まれていることを想定しています。ただし、PLCが搬送物の進路変更のタイミングを決定するために、搬送物のトラッキングデータを使用する必要はありません。PLCは迂回の判断に必要なあらゆる基準を使用できます。

モジュールB 上流ゾーンの準備:

1. ローカル上流ゾーンの集積制御 レジスタの ビット0を設定し 、このゾーンに到着した搬送物全てを集積するように指示する。
2. 到着回数ローカル上流ゾーン レジスタと 出発回数ローカル上流ゾーン レジスタを監視する。これら2つの値が等しくなくなる先端でPLCは新しい到着があったことを認識する。搬送物が上流ゾーンを物理的に占有している限り、この2つの値は等しくならないことに注意。
3. 搬送物が上流ゾーンに正常に到着すると、 現在の上流ゾーントラッキング ワード 1 と 現在の上流ゾーントラッキング ワード 2 のトラッキングデータは、新たに到着した搬送物に対して有効となる。

新たに到着した搬送物を進路変更させる必要があるとPLCが判断した場合:

1. ローカル上流ゾーンの集積制御 レジスタの ビット8を設定する。 これにより、 モジュール A は進路変更操作の実行中に モジュールB に搬送物を搬送しないようになる。
2. その後PLCは進路変更の行程を開始する。
3. 搬送物が PE-1 に到着すると、PLCは ローカル上流ゾーンの集積制御 レジスタの ビット9を設定する。 これにより、 モジュール B に搬送物が「下流の位置に正常に到着した」と伝達される。
4. 搬送物が PE-1 を通過したら、PLCは ローカル上流ゾーンの集積制御 レジスタの ビット9を消去する。
5. その後PLCは ローカル上流ゾーンの集積制御 レジスタの ビット8を消去して、モジュールA に次の搬送物が モジュールBの上流ゾーン へ進入することを許可してもよいと指示できる。

新たに到着した搬送物が進路変更する必要がないとPLCが判断した場合:

PLCは必要に応じて搬送物のトラッキングデータを修正し、 基本的な集積と搬送 の章にある説明通りに搬送物を搬送するだけです。

*PLCプログラムの ローカル上流ゾーンの集積制御 のビット0を消去して搬送物を搬送しないでください。 「基本的な集積と搬送」 の例の手順に従ってください。