ブレンドモードは選択されたレイヤー(ブレンドレイヤー)の色がレイヤースタックでその下にあるレイヤー(ベースレイヤー)と結合されるかを定義します。レイヤーは一般的な動作に基づきグループに分けられますが、ソフトウェア内ではグループはラベル付けされません。
通常ブレンドモード
- ノーマル: デフォルトのブレンドモードです。レイヤーはまったく混合されません。ブレンドレイヤーはベースレイヤーの色を混合せずに表示されます。ブレンドレイヤーに独自のマスキングまたはアルファチャンネルが含まれない限り、ブレンドレイヤーは完全にベースレイヤーを覆い隠します。
- ディゾルブ: 各ピクセルで、値がベースまたはブレンドレイヤーのいずれかから無作為に選ばれます。一部のピクセルはベースのカラーデータを使用し、他のものはブレンドのカラーデータを使用します。結果はレイヤー不透明度の調整に依存するため、最初に適用された時はブレンドモードからの影響がないように見えます。レイヤーの不透明度が100%では、すべてのピクセルがブレンドレイヤーからの値を採用します。0%の不透明度では、すべてのピクセルがベースの値を使用します。それら間にある値では、ピクセルはベースおよびブレンドレイヤーから無作為に選ばれます。ディゾルブはスムージング、ブラーまたはアンチエイリアスを適用しないため、結果はとても粒子が粗く見える傾向にあります。
ノックアウトモード
- ノックアウト: ブレンドレイヤーの形をその下にあるすべてのレイヤーのアルファから取り除きます。
- クリップ: ブレンドレイヤーの形そのものを、下にあるすべてのレイヤーのアルファ透明度からクリップします。
暗くするブレンドモード
- 暗くする: 各ピクセルで、[暗くする]モードはベースレイヤーとブレンドレイヤーの色の値を比較し、暗い方を表示します。[暗くする]は、マスクを作成する、または洗練させるときに複数のレイヤーの黒いエリアを結合する上で役立つ可能性があります。[明るくする]とは反対のモードです。
- 乗算: ベースの値をブレンド値で乗算し、全体的に暗めの画像になります。黒 (0.0) で乗算された色は黒を作り出し、白 (1.0) で乗算された色はそのまま変わりません。つまり乗算はブレンドレイヤーの白いエリアの除去に効果的です。このモードは画面ブレンドモードと反対の結果をもたらします。
- 焼き込み: ブレンドレイヤーの色の値に基づき、ベースレイヤーのコントラストを強くして、暗室でフィルムを「焼き込む」作業をシミュレーションします。これを行うためベースレイヤーの値を反転し、結果をブレンドレイヤーで除算してから、結果を反転します。乗算と同様、焼き込みは画像全体を暗くしますが、さらにハイライトを削減してもっと中間トーンの彩度を増します。このモードは基本的に覆い焼きの反対のモードです。
明るくするブレンドモード
- 明るくする: 各ピクセルで、[明るくする]モードはベースレイヤーとブレンドレイヤーの色の値を比較し、明るい方を表示します。[明るくする]は、マスクを作成する、または洗練させるときに複数のレイヤーの白いエリアを結合する上で役立つ可能性があります。[暗くする]とは反対のモードです。
- 画面: 両レイヤーのピクセル値が反転され、乗算され、再度反転されて、結果として明るい画像を作り出します。スモークやグローなど透明なストック要素を合成する上で効果的です。その結果は[追加]に類似しますが、効果が比較的微細になる傾向があります。このモードは乗算ブレンドモードと反対の結果をもたらします。
- 覆い焼き: ブレンドレイヤーの色の値に基づき、ベースレイヤーのコントラストを弱くして、暗室でフィルムを「多い焼き」する作業をシミュレーションします。 これを行うためブレンドレイヤーの値を反転し、ブレンドレイヤーをその反転された値で除算します。画像モードと同様、[覆い焼き]は 画像全体を明るくしますが、強烈で彩度の高い中間トーンと激しいハイライトが得られる傾向があります。このモードは基本的に焼き込みとは反対のモードです。
- 追加: ピクセル値が加算され、より明るい画像をもたらします。加算した合計が1.0を上回るピクセルは1.0にクリップされ、白色として表示されます。ライトフレア、銃口の閃光、ライトソードおよびストックの爆発など、光ベースの視覚的効果を合成する上で役立ちます。画像ブレンドモードに類似しますが、より強烈な結果を得られます。
コントラストを強化するブレンドモード
- オーバーレイ: 乗算と画像ブレンドモードの組み合わせを使用してコントラストを強めます。オーバーレイはベースレイヤーに50%を上回る値が含まれるエリアに画面ブレンドモード、50%を下回るエリアに乗算ブレンドモードを適用します。もたらされる結果はソフトライトおよびハードライトと類似します。基本的にハードライトとは同じですが、オーバーレイはベースレイヤーの値に基づくところが異なります。
- ソフトライト: ハードライトおよびオーバーレイと同じような方法で全体のコントラストと色の鮮やかさを強めます。ソフトライトはブレンドレイヤーで値が50%を上回るエリアに半分の強度の画面ブレンドモード、50%を下回るエリアには半分の強度の乗算ブレンドモードを適用します。もたらされる結果はハードライトおよびオーバーレイに比べて弱めになります。
- ハードライト: 乗算および画面ブレンドモードの組み合わせを使用してコントラストを強めます。ハードライトはブレンドレイヤーの値が50%を上回るエリアに画面ブレンドモードを適用し、50%を下回るエリアに乗算ブレンドモードを適用します。ハードライトはオーバーレイとソフトライトと類似しますが、それら両方よりもさらに極端な結果が得られます。オーバーレイとは基本的に同じですが、ハードライトはブレンドレイヤーの値に基づいている点が異なります。
反転ブレンドモード
- 差異: 各ピクセルの色の値を取得し、ブレンドの値からベースの値を除算します。これらの値の差がそのピクセルの新しい色の値として使用されます。もたらされる数字が負数である場合、正数にした同等の値が適用されます(例: 「-64」は「64」になる)。ブレンドカラーが純白 (255, 255, 255) である場合、ベースカラーは反転されます。このエフェクトはドラマチックかつサイケデリックなカラーシフトをもたらすことができます。[差異]は正しい整列を確実にするために同一のレイヤーを比較する上でとても役立ちます。[差異キー]エフェクトはこのブレンドモードに基づいています。クリーンな「背景プレート」が使用され、キーイングされる途中の同一のエリアは完全に黒くなり、[差異]により分離されたエリアがlumaキーにより強化、分離できるようになります。
- 除外: [差異]ブレンドモードに類似します。ただし[除外]では計算が負数/正数の値を無視し、絶対値のみを使用します。これは類似する値が黒よりも中程度のグレーにシフトすることを意味し、結果的にコントラストが弱い画像になります。キーイングで使用できる[差異]と異なり、[除外]は超現実的で露出過度な色の効果のみに役立ちます。
- 減算: ブレンドレイヤーの値をベースレイヤーの値から除算するため、画像全体が暗くなります。負数の値は0(黒)にクリップされます。
- 除算: ベースの値をブレンドの値で除算して、結果的に画像を明るくします。値をそれ自体で除算すると結果が0になるため、これは画像から色合いや傾向を除去する上で役立ちます。ブレンドレイヤーに除去したい色のプレーンを使用することで、このプレーンの色が含まれるベースレイヤーのエリアをグレーに中和できます。
コンポーネントブレンドモード
- 平均: ベースの値とブレンドの値を加算し、レイヤー数 (2)で除算して各ピクセルの平均値を取ります。
- 色相: HSL色の両レイヤーを変換してから、ベースレイヤーの輝度と彩度の値をブレンドレイヤーの色相と組み合わせます。注意深く使用すれば、これにより画像の色価と露出の値を保持しながら色を変化させ、正確で、微妙な色価の変化をもたらすことができます。
- 彩度: 両レイヤーをHSL色に変換してから、ベースレイヤーの輝度と色相の値をブレンドレイヤーの彩度の値と組み合わせます。これは芸術的なエフェクトとして使用したり、画像を部分的に選択して彩度を落としたりするために使用できます。
- 色: 両レイヤーをHSL色に変換してから、ブレンドレイヤーの色相と彩度の値をベースレイヤーの輝度の値と組み合わせます。これはしばしばブレンドレイヤーをカラーマップとして使用することですばやく画像に色合いを付けるために使用されます。
- 輝度: 両レイヤーをHSL色に変換してから、ベースレイヤーの色相と彩度の値をブレンドレイヤーの輝度の値と組み合わせます。[輝度]は特にシャープにしたい場合に役立ちます。シャープにしたグレースケールの複製をフルカラーのオリジナル画像にブレンドすることで、望ましくない色の輪やアーチファクトを作り出さずに、効果的に画像をシャープにすることができます。
Blend-Ifブレンドモード
Blend-Ifはレイヤーをそれらの色価に基づいてブレンドする簡単な方法です。このブレンドモードは唯一ブレンドを管理するための追加のコントロールを含みます。スライダーを調節することで、現在載っているレイヤーのコンテンツに基づいて、またはその下にある画像のコンテンツに基づいてレイヤーのどのエリアが表示されるかを制御できます。これらのスライダーは個別または連結して使用できます。上下のコントロールハンドルはペアごとにリンクされています。各ペアの2つのハンドル間の距離がブレンドのフェザーリングを制御します。
- このレイヤー: このスライダーは選択されたレイヤー自体のコンテンツを使用してレイヤーのどの部分が表示されるかを決定します。スライダーには4つのコントロールハンドルがあります:
- 下黒: このトーンより暗い選択されたレイヤーのエリアは完全に見えなくなります。下黒と上黒スライダー間の色価は上黒スライダーに向かって移動するにつれだんだんと不透明になります。
- 上黒: このトーンより明るい選択されたレイヤーのエリアは完全に表示されます。選択されたレイヤー内の上黒ハンドルと上白ハンドル間に入るすべてのトーンは完全に表示されます。
- 下白: このトーンより明るい選択されたレイヤーのエリアは完全に見えなくなります。 下白と上白スライダー間の色価は下黒スライダーに向かって移動するにつれだんだんと透明になります。
- 上白: このトーンより暗い選択されたレイヤーのエリアは完全に表示されます。 上黒ハンドルと上白ハンドル間に入るすべてのトーンは完全に表示されます。
- 下位レイヤー: このスライダーは選択されたレイヤーの下にあるレイヤーのコンテンツを使用してレイヤーのどの部分が非表示になるかを決定し、下位レイヤーが透けて見えるようにします。スライダーには4つのコントロールハンドルがあります。
- 下黒: このトーンより暗い下位画像のエリアは選択されたレイヤーを透して表示されます。下黒と上黒スライダー間の色価は上黒スライダーに向かって移動するにつれだんだんと透明になります。
- 上黒: このトーンより明るい下位画像のエリアは完全に見えなくなります。 下位レイヤー内の上黒ハンドルと上白ハンドル間に入るすべてのトーンは完全に見えなくなります。
- 下白: このトーンより明るい下位画像のエリアは選択されたレイヤーを透して表示されます。上白と下白スライダー間の色価は下黒スライダーに向かって移動するにつれだんだんと不透明になります。
- 上白: このトーンより暗い下位画像のエリアは完全に見えなくなります。 下位画像内の上黒ハンドルと上白ハンドル間に入るすべてのトーンは選択されたレイヤーで完全に覆い隠されます。