グリーンスクリーンとブルースクリーンは何十年もの間映画撮影と写真撮影に使用されてきて、写真家のツールキットに欠かせないものとなりました。モチーフをグリーンスクリーンまたはブルースクリーンの前において撮影することで、モチーフを簡単に切り取り、新しい背景に配置することができます。
こちらにグリーンスクリーン前で撮影されたモデルの例があります。
VEGAS Imageは写真からグリーンスクリーンの背景および余計な要素を除去する一連のエフェクトを提供し、女性のきれいに切り取られたバージョンが残ります:
その後VEGAS Imageを使って新しい背景を追加し、配置や外見などその他の調整ができます:
ソース画像から自動でグリーンスクリーンまたはブルースクリーンを除去することは「キーイング」と呼ばれ、必要な手作業をなくすまたは量を削減するために設計されたプロセスです。VEGAS IMageは個人ポートレートの作業と大きなライブイベントでの大量処理両方に対応するよう設計されています。
グリーンスクリーンまたはブルースクリーン?
キーイングの最も重要な要素とは背景のスクリーンが簡単に前景のモチーフから分離できるようにすることです。このためスクリーンはできるだけ撮影対象と異なる色にすべきです。
このため、レッドスクリーンはあまり使用されません。人間の皮膚に含まれる赤色の量が多いため、レッドスクリーンではよい結果を得ることは不可能です。イエロースクリーンでも同様の問題が起きるでしょう。グリーンとブルーは両方とも皮膚の色調にあまり含まれないため、キーイング色としてよく機能します。ショットに入る服装、髪形、その他の物体についてよく注意して、適切なバックドロップを選ぶようにしてください。
どうしても似た色同士の隣接が避けられない場合は、マスクの章を参照してください。
一部のデジタルカメラにはブルーよりもグリーンのデータを保持する傾向があるため、もし自由にグリーンまたはブルーを使用できる立場にあるとしたら、一般的にはグリーンを選択することをお勧めします。ブルースクリーンはフィルムを取り扱う際に使用される光学的なキーイング処理には最適な選択肢でしたが、デジタル処理に使用される異なる方式にはグリーンがより適しています。それでも、どちらの色も優れた結果が得られます。
ブルーまたはグリーンスクリーンの種別
ブルースクリーンおよびグリーンスクリーンは購入またはレンタルできます。または適切な資材を使用すれば自前で構築できます。それぞれに独自のメリットとデメリットがあります。
- 生地: 柔らかい布のスクリーンは持ち運びやすく、どこでも設置できます。丈夫で、必要があれば洗濯したりアイロンをかけたりできます。一方、布は簡単にしわになったり汚れたりする場合があります。ポップアップの反射板に似たポップアップスクリーンも、持ち運びしやすさを重視する場合の別の選択肢です。
- 紙: 使わないときは巻いて上げられるプルダウンの紙製スクリーンはスタジオ内で使用するのに理想的です。低価格ですがデリケートで、簡単にしわが寄ったり破れたりします。とても壊れやすいため、ロケに使うには適しません。
- 塗装: グリーンスクリーン作業用の常設のスタジオスペースがある場合、クロマ緑色塗料も検討できます。緑色の塗料は耐久性に優れ、しわの心配もありませんが、まったく持ち運びができず、専用のスペースが必要です。
グリーンスクリーンのセットアップ
グリーンスクリーンとブルースクリーン写真には撮影計画時に考慮が必要な2、3のユニークな特徴があります。セットアップ中にもう少し時間をかけてすべてが適切にセットアップされるようにすることで、コンピュータ上の作業にかかる際に時間を大幅に節約し、できる限り最高の結果を確保できます。
- 無反射背景: 背景の素材にはマットで、光沢がないものを使ってください。光沢のある背景は光を反射しすぎて、明るい「ホットスポット」ができてしまいます。
- バックドロップテクスチャを回避する: 影を落とさないスムーズな素材。ひだ、しわ、または重すぎる布地の折り目さえも影を作り出し、モチーフを背景から分離しにくくします。
- きれいに分離する: モチーフと背景の間をきれいに分離することが高品質の結果を得るカギとなります。
- バックドロップからの距離: 常にモチーフをバックドロップからできるだけ離して配置してください。これによりモチーフ上に反射するグリーンまたはブルーの量を減らし、スクリーンに影がかかるのを防ぎます。少なくとも6フィート(1.8メートル)離すことを目指しますが、これよりも距離を開けられればカラースピルをさらに防げます。
- 影を回避する: モチーフが望ましくない影をバックドロップに落としていないことを確認します。影は合成作業を大幅に難しくします。合成画像に影が必要な場合、キーイングプロセスを通して影を保持しようとするよりも、しばしば後行程で影を作成するほうが簡単です。
- 照明: モチーフとは別の照明をバックドロップに当てましょう。これによりモチーフにさらにドラマチックなセットアップを保持しつつ、背景にスムーズに照明を当てられます。背景とモチーフに同じ照明で光を当てようとすると、影を回避すること、均一な光を維持すること、モチーフを背景からきれいに分離することが難しくなります。
- スピルを少なくする: モチーフ上に射したグリーンのスピルライトが多く当たっている場合、モチーフをバックドロップから離してみてください。これができない場合、モチーフ上に薄くマゼンタのバックライトを追加してみてください。モチーフの背後にマゼンタのライトを入れることで、グリーンスクリーンからのグリーンスピルの反射を相殺する助けになり、分離を容易にします。